PDFを無料で翻訳できるツールはたくさんあります。違いは「無料かどうか」より、スキャンPDFを読めるか、訳文がPDFで返ってくるか、表が崩れないかの3点です。同じページで実際に比べてみました。
数ページの資料なら、無料ツールで十分に翻訳できます。ただ、ツールごとの「無料」には違う制限があります。ファイルの大きさ、スキャンPDFを読めるかどうか、そして返ってくるのがレイアウトの整ったPDFなのか、ただの文章なのか。まず同じページを8つのツールに渡した結果を見て、そのあとツールごとの特徴と選び方をまとめます。
テストに使ったのは、アメリカ内務省の財務報告書の1ページです。費用の表と棒グラフがあるスキャンPDFを、英語から日本語に翻訳しました。画像をクリックすると、拡大して見比べられます。
アメリカ内務省の財務報告書の1ページ。純費用の表と棒グラフがあるスキャンPDFを、英語から日本語に翻訳しました。
左右にスワイプして比較、タップで拡大。ページをクリックすると拡大します。
このページでは、Reglyph・DeepL・Doclingoが表全体を翻訳しました。
いちばん手軽なのは、PDFの文字をコピーして翻訳サイトに貼り付ける方法です。ただ、PDFは行ごとに改行が入っているので、コピーした文章は1行ずつ切れてしまいます。2段組みは左右の段が混ざり、表は数字の羅列になります。
PDFをファイルごとアップロードして翻訳する(丸ごと翻訳する)と、ツールはページの構造をもとに読み取り、訳したあとページに組み直します。上の8つのうち、翻訳済みのPDFを返してくれるのは、Reglyph・DeepL・Doclingo・Reflo・ChatGPT(頼んだ場合)・Google翻訳(デジタルPDFのみ)です。GeminiとSmallpdfは文章だけを返します。
完全無料で、1ファイル10MB・300ページまで。スキャンPDFは「スキャンされた PDF は翻訳できません」と表示されて翻訳できません。デジタルPDFは翻訳できますが、数式や表は崩れやすくなります。詳しくはGoogle翻訳でPDFを翻訳する方法にまとめました。
訳文が自然です。無料プランでもファイルを翻訳できますが、ファイル数とサイズに上限があります(最新の条件は公式サイトで確認してください)。スキャンPDFも読み取れて、上のページでは表を最後まで訳していました。
PDFをアップロードして「レイアウトを保って翻訳して」と頼むと、PDFで返してくれます。白い背景のページは整って仕上がりますが、写真の背景は灰色の面に置き換わり、論文ではアポストロフィや一部の記号が「?」になりました。無料プランでは、ファイルのアップロード回数に制限があります。
スキャンPDFは読めますが、訳文はチャット画面に出るだけで、PDFでは返ってきません。表の整理は上手ですが、図や背景はなくなります。
スキャンPDFは受け付けません。デジタルPDFも、返ってくるのは文章だけです。
どちらもレイアウトを組んだページで返してくれます。原文の位置に単色の面を敷いて訳文を載せる方式なので、背景がシンプルなページなら十分ですが、原本の見た目をそのまま残したい書類には向きません。Doclingoは表もしっかり訳しますが、文字の大きさが行ごとにばらつくことがあります。Refloは表を訳さずに残すことがよくありました。
スキャンPDFもデジタルPDFもアップロードできます(対応はPDFのみ。写真は先にPDFにしてください)。文字を読み取って元の文字を消し、同じ位置に訳文を組み直すので、表・図・ハンコ・数字は元の位置に残ります。1日5ページまで無料で、Googleアカウントでログインして使います。クレジットカードは不要です。1ファイル50ページまでなので、長い書類は分けてアップロードしてください。
どのツールでも、いきなり全ページを訳すより、いちばん複雑なページ(表が細かいページ、図の多いページ)を1〜2枚試すのがおすすめです。そこがきれいに出るなら、残りも任せられます。Reglyphの無料枠は毎日リセットされるので、数ページずつ試しながら進められます。
英語論文の訳し方は論文翻訳ツールの比較に、8つのツールを6種類のページで比べた結果はPDF翻訳ツールの比較(英語)にまとめています。英語の資料を日本語で読みたい場合は英語のPDFを日本語に訳す方法、日本語の説明書や見積書を海外向けに訳す場合は日本語から英語への翻訳ページもどうぞ。
できます。デジタルPDFならGoogle翻訳やDeepLの無料プランで翻訳できます。スキャンPDFやレイアウトを保ちたい書類は、Reglyphの無料枠(1日5ページ、Googleアカウントでログイン、クレジットカード不要)が使えます。長い書類を一度に訳したい場合だけ、有料プランが必要です。
Google翻訳とSmallpdfはスキャンPDFを受け付けません。DeepL・ChatGPT・Geminiはスキャンを読めますが、Geminiは文章だけを返します。レイアウトがそのままの訳文PDFが欲しい場合は、Reglyphを1日5ページまで無料で使えます。
Google翻訳(デジタルPDFのみ)・DeepL・Reglyphは、PDFをファイルごとアップロードすると翻訳済みのPDFを返します。ChatGPTも、頼めばPDFで返してくれます。GeminiとSmallpdfは文章だけです。
Googleアカウントでログインして使います。別の会員登録やクレジットカードは不要で、1日5ページまで無料です。
多くのツールは「文字を抜き出して翻訳する」ことが中心で、訳したあとページに組み直す処理が簡単になっているためです。表・段組み・図のある書類では、元の文字を消して同じ位置に訳文を組み直す処理が必要になります。
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